白馬の王子様症候群というものがあるらしい
私たちは完璧な愛を創る代わりに、
完璧な恋人を探そうとして
時を無駄にしている。
- トム・ロビンズ -
私が最近読む本の殆どがこのようにイカした詩を文章の手前に書いているので、この点をリスペクトした。リスペクトという言葉を使うと実際はただのパクリだが、なんだか許されそうな感じがする。(そして、()を多用するという点も同様にリスペクトすることにする。エクスペクトしてね。)
「Aを世界一幸せにする!!結婚しよう!!!!111」
一々言わないまでもこれが伝統的なプロポーズの言葉であることはご周知の通りである。高い確率でAは恐らく承諾し、一組のペアが生まれるだろう。
だが、少し待ってもらいたい。世界一幸せにすることは果たして可能なのだろうか。(その通り、あなたに指摘されるまでもなく私は社会不適合者である。)私の考えでは、70億人の頂点を勝ち取るのはそう簡単ではなく、さらに、Aという最高の相手を見つけてペアになったBが世界一幸せになることはないということを示唆するため、主張しないほうが賢明である。
「Aを幸せにする!結婚しよう!!!」
まともになった。これで婚約後に債務不履行で糾弾されることはない。(めでたし、めでたし)
しかし、本当にそうだろうか。結婚して幸せになったペアとそうでないペアがいることを私は知っている。そもそも、あなたがAを幸せを最大化したいと考えるならば、あなたは即座に身を引き、キューピッドとしてAの新しいペアを差し出す方が良いのかもしれない。つまり、
「結婚しよう」
やはり、変なことは言わない方がよかった。これでいい。(または、「Aを幸せにできるかどうかは分からないが、私はそのために精一杯努力する。幸せを最大化できると願うが、大抵の場合無理だと考えている。それでも良いのなら....」)
ここで、A(あなた)にとっての最高のパートナーについて考えたいと思う。何かを考える場合、言葉を定義する必要があるが、最高のパートナーを定義するのは非常に難しいと考える。しかしながら、簡単に推測できることは、任意のXがそうでない可能性が高いということである。つまり、1/35億で表現される最高のパートナーが現在のパートナーである可能性は非常に低い。(この場合、70億が分母に来ることは珍しい)殆どの日本人は日本語しか上手く操ることができず、その結果、限定された領域でしかパートナーを見つける努力ができない。
もし、Aが英語を話す人間を指すならば、同じように表現される"あ" や "Ӓ"よりは最高のパートナーとペアになる可能性が高い。(単にコミュニケーションを取れる可能性のある人数が多い)
最高のパートナーとしての要素に同じ言葉を用いるという項目が入っているならばこういった話にはならないことを注意しておく。また、たとえ最高のパートナーでなかったとしても、クリスマスと大晦日を10日程過ぎてしまえば、その時点でのパートナーが最高のパートナーであることが多いとも言えるかも知れない。(女性はクリスマスケーキに例えられ、男は晦日蕎麦に例えられるらしい)つまり、これからコミュニケーションを取って~結婚までという費用と、かつての最高のパートナーを得られたときに得られた収益とが見合わなくなるからだ。
最高のパートナーを見つけるのは不可能だと諦めるのはまだ早い。私はまだ、この言葉を定義したわけではない。
殆どの人が最高だとする世界ならどんなに幸せなことか!
☆ここからは論理の飛躍があると思う(そして、ここからが本題である)
生物学的に言えば、恐らく最高のパートナーとは自身(パートナーのことではない)の遺伝子をより多く後世に伝えられることを意味する。(この解釈が間違っていないことを願う)
パートナーには端的に言ってこの2種類がある(当然、ヒトとしての性質を司る遺伝子は共有している)
①多くの遺伝子を共有してる(無性生殖に近い)
②全く遺伝子を共有していない(純粋な有性生殖)
①は自分の遺伝子を後世に伝えるという意味で、一見合理的に見えるが病気などによって一網打尽にされるリスクが高い。
②は一網打尽にされるリスクは低いが、一度伝えられる量がが少なくなってしまう。
①、②共に言い分がある。適当な式を作るならば、伝えられる遺伝子の割合をG、生き残る確率をRとして
①はG*R Gが80Rが50 ②はG*R Gが50Rが80
のように考えてみるとわかりやすいかも知れない。(わかりにくいかも知れない)実際の具体的な値は分からないが、
どちらにもある程度の合理性があると考えることができる。つまり、パートナーがどんな遺伝子を保持していたとしても最高のパートナーになり得るということになる。(遺伝子の共有以外にも遺伝子を後世に伝える遺伝子というものは数多くある。だが、それはここでは考慮しない。すぐ下で考慮している)
完全に成熟した遺伝子プールでは、遺伝子が長い月日をかけて洗練されている。遺伝子プールは未だかつてないほど最高の状態にある。また、ある特定の遺伝子が現代まで生き残っているということは何らかの重要な戦略を保持していることが想定される。全ての遺伝子はこれまで淘汰されずに残ってきたエリート達だ。したがって、任意のXを選択することで最高のパートナーを発見することができる可能性がある。(オウム返し戦略のみで満たされた集団を考えてみて欲しい)
また、人間は何事にも意味を見出さなくてはいけない性質であるらしい。任意のXで良いならば選択することは非常に難しくなる。(自由研究が如何に夏休みを不自由にしたかを思い出してもらいたい)
こうした仮定が全て成り立っているときには
偶然を運命と名付け、盲目的になることは合理的ではないだろうか
運命に支配された白馬の王子様症候群は、超最先端という考え方ができる。
赤い糸を信じる信じないにかかわらず運命に従うことが合理的な行動である可能性がある。
ここまで読んでくれた人は文頭を見た人の1/3になっているだろうか、それとも頭、胴、足に3分割されているだろうか。(0をこの式に使うのはやめて頂きたい。特に割る数)暇つぶし程度にはなったことを期待する。